撮影技術

2015年1月12日 (月)

二値マスク合成星景写真 技術解説

昨夜公開した、星・景色の両止め星景写真について、以下に簡単な補足解説をします。

まずは、星を追尾した画像のコンポジット画像です。

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当夜は月齢19の月光が東から煌々と輝いていたため、背景レベルはかなり明るくなっています。
地上景色を無視した場合、これは従来の星野写真と同様です。
お分かりのように、星を追尾すると地上景色は流れますよね。
それを多数枚撮り星の位置あわせで合成すると、上画像のように景色は大きく流れてしまいます。


そこで、以下の画像を同じ赤道儀で撮影します。(取得タイミングは任意)

2

こちらは赤道儀の電動追尾をオフにしたカットです。
地上景色がはっきり写っていることがお分かりでしょう。
露出は90秒です。そんな短い間でも、星は少しずつ移動しご覧のように星が伸びているのがお分かりかと思います。これは従来の星が流れる星景写真ですね。

この①と②を合成するために、②を加工した以下のマスクを作成します。

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これによって②の景色を①に合成することが可能です。
ただし、それをそのままやると以下のようになります。

Ng

森林の背後に、①の流れた森林が写り込んでいるのがお分かりでしょうか。
これを根本から解消するために、以下の③を取得します。

3

①と異なり、③は各フレームを比較(明)合成しています。
これならば、各フレームごとの夜空の部分が全て森林と置き換わり、結果的に合成素材としてはみ出しがなくなることになります。

これを、以下の通りレイヤーで配列します。

Layer


レイヤーに付与した番号は上の画像と同様です。

こうすることによって、以下のような画像が完成します。

Kansei

違和感なく合成されていることがお分かりかと思います。

マスクの境界線や、撮影のインターバルなどで多少の改善余地が残されていますが、そこは今後の皆さんの運用でカバーされることでしょう。

さぁ、皆さんも小型赤道儀やカメラレンズで新たな星景写真にチャレンジしましょう!



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2014年11月17日 (月)

シリカゲルの再生化

天体写真撮影で乾燥空気を送風するために用いるシリカゲルですが、これを簡単・確実に
再生化する私の方法をご紹介します。

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2014年9月26日 (金)

イプシロン星像の謎について

イプシロン星像の謎について、現在と過去を比較してあれこれ語っています。


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2014年1月19日 (日)

NJP赤道儀のギア調整

本日はNJP赤道儀のギア調整を行いましたので、その様子を動画で公開します。

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2014年1月 8日 (水)

寒い遠征地でiPadを使ったリモート撮影をする

今日はiPadを使ったリモート撮影についてご紹介しています。
寒い日などにはかなり有効なアイテムになりそうです。
iPadは思いの外天体写真との親和性が高く、例えばフラット撮影等、多くの用途で遠征撮影をサポートしてくれるツールだと感じています。

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2013年11月 2日 (土)

フラット撮影に使える色アプリ紹介

フラット撮影に使える色アプリを見つけましたので、紹介します。
先日発売されたばかりのiPad airなどに入れて使うと最高ですね。
もちろん、今まで通りフラットダークの取得・撮影は必須です。
ノイズの少ない冷却デジカメでも同様です。

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2013年10月19日 (土)

カラーアシスト方式の良し悪し

前作のIC348・NGC1333付近をML29050+6D(改)で撮影・処理してみて感じたこと。


<良い点・分かったこと>
① 星雲の色の乗り方が改善された。色にコク・深みが得られた。
② ①の結果、彩度を上げても情報が破綻しにくくなった。(これについては文で表現し難い)
③ Lの枚数が増えたため、淡い対象のS/Nが飛躍的に向上し処理の自由度が高まった。
④ 色のおかげかLの枚数のおかげか不明だが、淡い対象でもプリントでガッカリすることがなくなった。明らかに画質の向上を感じる。
⑤ 6Dデジカメのダーク減算は、多少温度がアバウトでも問題なく合ってくれる。
⑥ 6Dデジカメのフラットは、フラットダークさえ取得しておけば光源色合わせは不要であることが分かった。ミラースポンジは切っていないが、
フラットは問題なく許容範囲内にマッチする。ちなみにELパネルの露光時間は0.2秒/枚
⑦ ミラーショックによるガイドのブレはメイン鏡筒・サブ鏡筒共になし。
⑧ コーワとイプシロンの星の位置あわせはccdstackを用いても厳密には合わない。それをあらかじめ想定した上でのカラーアシスト方式だが、
実感としては自動処理でも案外合う。4分割程度のフィッティング素材を用意すれば、ほぼ全面合ってくれそう。

<悪い点・問題点>
① 処理プロセスが多くなり、煩雑となった。
② ファイルサイズが増え、PCへの負担が増した。待ち時間が長い。新たなPCが要る。
③ 処理フローは、cameraraw現像はお気楽に色が出せるが、本来素材重視で行くならccdstackがあるべき姿だと思う。
④ デジカメ6Dのバイアス再現性は電源系によってバラつくことが分かった。ただし、ごく淡い対象でそれが分かる程度。ライトフレームを発電
機で撮ったなら、ダークも自宅ではなく発電機で取得すべき。
⑤ コーワプロミナーをデジカメで撮影する場合、ライブビューを使った背面液晶では厳密には困難。USB接続にてEOS-Utilityを用いて確認すべき。



明らかな画質向上を実感しました。
露出時間・明るさは正義という考え方に間違いはなさそうです。

また、撮影については、同時撮影を開始した直後に10分なり8分おきに画像が同時にドンドコ上がってくる様子を現場で体験すると、
ブッチギリのハイスピード感を味わうことが出来た。
今後は、例えば月の出前のわずかな2時間などでも実質4時間分のデータを得られるので、明らかに天体写真のクオリティ・スピードが
向上するように思われる。この方式は正解だった。バッチ処理でいかにこれらの大量ファイルを処理・保管すべきかという部分が悩みの種。
PCを新調すれば良いが、10万円の出費は痛い。


まずはこんなところです。
次の作品はまだ未処理ですが、これがもし完成したら、また後日感想を綴りたいと思います。

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2013年9月12日 (木)

カラーアシスト方式の有用性

昨夜紹介したカラーアシスト方式について、その有用性を以下の表で示してみました。


Casist_hikaku

① 従来方式だと、RGB撮影時に1時間費やされるため、その間はLが撮影出来ない。(上図)
② カラーアシスト方式だと、同一露出の場合RGBの枚数はもちろん、Lの枚数も飛躍的に向上しクオリティアップが期待出来る(中図)
③ 同一クオリティを得るために必要な露出時間も短縮されスピードアップが図れる(下図)


けど、楽観視ばかりは出来ません。現状の懸念事項としては、
A.非冷却デジカメのダークマッチング(n枚目ダーク減算方式を採るか)
B.デジカメの現像・処理フロー(SI6経由よりもDNG-PS経由の方がカラーノイズがピュアか)
C.異なる焦点距離・光学系での位置マッチングの実際はどうか

Aについては、6Dのダークノイズを見る限り、本腰を入れて取り組まなければと感じた。
Bについては、これはやってみないと分からないが、少なくともSIのベイヤー・カラー変換は下地段階で不要なボカシ処理が入り、
全く使えないことだけは分かった。(モノクロ冷却CCDのRGBプロセスでは問題ない)
Cについては、先記事の通り「星自体のマッチング精度は要求しない」ことが前提。
以下に理由を示します。

Antares_c

これは冷却モノクロCCDのLRGBプロセスで得た2013年の作品。
これだけカラフルな対象でも、Lab分解した際のabチャンネルは以下。

<(Labの)aチャンネル>

Antares_a


<(Labの)bチャンネル>

Antares_b

カラー情報を包括するLabのabチャンネルをご覧下さい。星、写ってますか?
特にaチャンネルは、如何に星が写っていないかがお分かりでしょう。
つまり、星の位置合わせの精度は低くてもOKなのです。
かと言って、イプシロンの星の色の良さを失いたくはありません。
なのでカメラレンズはあくまで星雲やバックの荒れやすいモヤモヤ情報だけを多枚数取得し、星の色だけはイプシロンから得るというのが、
「アシスト」という名付けの理由でもあります。

ただ、このモヤモヤした模様は、天体写真の画質を極める上では重要なファクターだと思っています。たかがこんな模様、
と思って強調していくと、とたんに見苦しいプリントになってしまうのも事実。
だからこそ、カラー情報はたんまり撮影しておくというわけですね。
Lの枚数も増えますので、淡い対象を美しく描出するという観点でもきっとメリットがあると思っています。

何とかして、この魅力的な撮影方式を立ち上げたいと思っています。

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2013年9月 5日 (木)

イプシロン近況



M31ddp


お盆に撮った画像の残分をまだ処理出来ずにいます。
原因はいくつかあって、

①最近仕事が忙しく帰宅時間が遅い。

②例えば同じ対象を撮った際、素材のシャープさで昨年のそれを超えられないと感じたとき、急にやる気が失せる。(これは主にシーイング等の外的要因だと思う)

③イプシロンのクセがまだ抜け切ってない ⇒ 本日syoshi-さんに相談し解決案を提示される。

④③でよしと思ってRGB合成などやってみるが、相変わらず良くも悪くも変化なしで気力が出ない。

⑤次のシステム構想があって、それをK-ASTECさんなどとやり取りしていてどちらかと言えばそれに気をとられている。

⑥GS200RCの結果がイマイチで、TOA35RDを他の汎用RDに交換せねばならず、
そこが原因で気落ちしている。


と、まぁ色々あります。
いつもなら、すぐ飛びついて処理するはずなのに、何か最近そうじゃない。
自己分析すると上記のような理由があって、それをイイワケにして画像処理から逃避して
いる感じです。

ため息しか出ない、今年は昨年にも増して低迷期な気がする。
天気も相まって、なかなかテンションが上がりませんね。
ブログの更新も、今後は頻度が少なくなるかもしれません。

syoshi-さんやK-ASTECさんとお話している時間は、すごく楽しいのですがね。

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2013年7月31日 (水)

長焦点の有利性について無理やり考えてみる

短焦点と比較した場合の長焦点の有利性を無理やり考えてみた。
モチーフとして星像を使ってみた。(星雲でも同じ)
長焦点や微小ピクセルのカメラは、星という被写体を一見過剰にサンプリングするため、
星が1つのピクセルに収束せず、ある程度の面積(階調情報)を持っている。
対して、短焦点は極端に言うと星という被写体をサンプリングするにはピクセルが不足
しており、1つのピクセルに収束してしまうことがある。
両者(下図①と②)は強調プロセスにて全体が飽和に至るため、見かけ上の直径は同じ
程度に見えてしまう。
ただし、②は階調情報を持っており、それを特定の処理を施すことによって見かけ上の
直径を小さくすることが出来る。つまり、解像感を引き上げる余地があるということ。
対して①のアンダーサンプリング星像は1つのピクセルにしか飽和点が存在しないため
それを後処理で加工することは出来ない。
カメラレンズの短焦点などで星々が大小もろとも全てピクセルに収束し、全写野が星で
埋め尽くされ処理の自由度が失われてしまう要因の1つは、上記に起因するのだろう。

これは撮影が理想状態での話で、他の諸条件を無視した机上の理論だが、まぁ大まか
に言えばそんなところか。

Photo

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