ε-130DとVSD100F3.8 どちらがイイ?
星雲・銀河撮影ファンのみならず、今秋来たる大彗星を捉えようとされる方には注目の
2機種、ε-130DとVSD100F3.8について考えてみました。
これらはもちろん彗星という購買動機だけじゃなく、彗星が去った後にも天体撮影で常用
されたいと思うのが当然でしょう。彗星撮るだけの目的のために、数十万超えの買い物を
するという購買層は少ないと思うからです。
では、アイソン彗星が去った後、この2機種を選定する上でどういう棲み分けをするのが
良いのか?
僕の考えとしてはこうです。
VSD100F3.8という鏡筒は、まず性能はもちろん製品としての造りが非常に精密で高級感が
ありますね。20ミクロンまで目読可能な高級なヘリコイドをはじめ、レンズのアニール処理や
大型のレーザー干渉計の導入。きっと、工業製品としての贅を尽くした一生物の望遠鏡な
のでしょう。まず、そういった「所有する喜び」を満たすにはこれ以上ない一品となることは
間違いないでしょう。
では、性能面ではどうでしょう。
思うにこの望遠鏡は、ラージフォーマットになればなるほどその真価が活かされるのでは
ないでしょうか。スポットダイヤグラムを見れば分かりますが、星像直径が35ミリフルサイズ
はもちろん645写野においてもほぼ崩れのない均一な像を実現しています。
これは35ミリ判カメラレンズでは出来ない芸当ですし、旧設計の645判対応のカメラレンズ
ではここまでのスポット直径は実現不可能なのではないでしょうか。
なので、結論としては16803や645D等、35ミリスクエア以上のカメラをお持ちの方は、
こちらを優先に検討するのが良いと思います。フォーマットサイズは大きければ大きいほど
そのアドバンテージが活きてくると思います。新星探索にはまさにこれとない光学系では
ないでしょうか。
逆に、35×24のフルサイズ以下のCCDである場合は、この素晴らしい光学系の真価が
発揮しづらくなってくるのも確かです。特に今流行の8300系のフォーサーズCCDの場合
は、こちらを選択する優位性はあまり見出せないのではないでしょうか。
写野中心20ミクロンのスポット直径に5~6ミクロンのピクセルサイズは、中央クロップして
写しだす8300系チップには不釣合い(決して悪いわけではないが、積極的に組み合わせ
ようという動機付けとなる製品価格ではないということ)だからです。
広いサイズで均一にシャープに写す、という用途が一番この望遠鏡にはマッチしていると
思います。周辺機材にも最高条件を要求する、まさにスペシャルな望遠鏡ってことですね。
このVSD100F3.8に16803以上のCCDを装備して撮った画像は、まさに新境地だと思います。
従来ですと何枚も何枚もモザイク合成して撮らなきゃならない写野が、焦点距離はそのま
まに一発で収まってしまいますからね。
では、気になる価格はどうでしょうか。
おそらく、上に述べた設備投資や製造プロセスを考えると、50~60万円になるのではない
でしょうか。40万円台になることは、まずないでしょう。良い製品を生み出すためには設備
投資は不可欠です。そうなると当然コストは上がる。これは仕方のないことだと思います。
価格帯としては、ε-130Dとは別の位置づけという気がしますね。
ただ、この鏡筒を価格だけを見て「高い」と決め付けるのはいけません。
この望遠鏡が新境地を切り開く可能性を秘めているということは、間違いないでしょうから。
次に、ε-130Dについてです。
こちらは、「双曲面鏡+補正レンズというイプシロン独自の光学系であること」、これが性能
の全てのウリです。それをコンパクトに低価格にしてみました、といういわば単純発想ですね。
何のひねりもありません。ある意味デジタル時代の復刻版でしかないとも言える製品です
ね。最近のタカハシは、そんなものが多いです。
ただ、上記にある製品と比べると価格が圧倒的に安いですね。
この鏡筒が気になっている人は購入に際し色々理由を言ってますが、結局のところ…
「24万ちょいで鏡筒が買えてしまう。」
ココが最もインパクトを与えているのだと思います。
その他にも小型軽量その他色々ありますが、結局のところ、手のまだ届きやすい価格という
最低条件ありきで、そこから全ての購買動機・妄想?は派生していっているのでしょう。
では、VSDと比較した場合の機材組み合わせはどうでしょう。
この望遠鏡はフルサイズ周辺までなら、VSDよりも星像直径がシャープで10ミクロン以内を
うたっています。イプシロンをお持ちの方は、そのシャープさを容易に想像可能でしょう。
「フルサイズ写野までは、負けないシャープさ」
これが選定条件となります。
なので、8300系のチップや僕が持っているような29050のような35ミリ判までのフォー
マットサイズまでのCCDをお持ちの方は(デジカメ含む)、こちらを購入された方が結果
ハイクオリティな写真が得られると思います。
ただし、PL16803などの35mmスクエアサイズや645Dなどの超ラージフォーマットに
は対応していません。イプシロンのイメージサークルはVSDと比較すると圧倒的に狭いの
です。
なので、8300系やフルサイズまでのチップで安く高性能な写りを期待する方にとっては、
こちらのイプシロンを買うのが良いような気がします。
というわけで、これら2機種の選択条件というか棲み分けについて考えてみました。
価格帯的に天秤にかけるような両者ではないのですが、同じく大彗星をターゲットに向けた
新製品であるだけに、選択は悩ましいところですね。
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