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2013年5月 8日 (水)

GS200RCを使ってみて

GS200RCを使ってみて思ったことをファーストインプレッションの備忘録で書いておきます。


① CCDカメラとの相性は良くも悪くも感じない

ここが結構議論される部分で、F8の暗い光学系と微細ピクセルと引き換えに感度で劣る?
CCDとの相性問題を指摘されることがありますが、そこまで悪いとも思わず、かと言って
相性が良いとも思いません。特にFの暗さやCCDの感度の悪さを意識せずとも使えるって
ことでしょうか。結論として、カメラとCCDの相性って、議論する程影響力って少ないかと感じ
る。何使っても、写るもんは写るし、写らん淡いものは写らん…ってことでしょうか。
ビニング撮影をする必要性も、特に感じません。
これぐらいのクローズアップだと、撮影対象は無数にあると思う。その中にはもちろん明るい
対象もたくさんあるので、それを撮っていく分には何の支障もないでしょう。
vdb天体などをこの筒で狙うのは、無謀でしょう。そこを割り切れば、ノープロブレム。


② 光軸調整は非常に楽。ただし体力を使う。

イプシロンの光軸調整が数年かかってマスターすると仮定すれば、GS200RCの光軸調整
はそれこそ1~2日鏡筒と向き合えば完全にマスターすることが可能かと思いました。
ただし、覗きながらの工具調整は手が届かず、体力的には難があると感じます。
ニュートン系のように光路を直角に曲げない構造である分、難易度の次元が1コ低い感じで
す。しかも、長距離遠征の運搬でも全くズレていなかった点が驚きです。
筒自体は軽量な造りなのに、すごいね。ちなみに光軸調整にはセンタリングスコープという
細長い治具を取り付けて行わないと実際には困難でしょう。
(センタリングアイピース・チューブではありません)センタリングスコープはタカハシから出て
います。ちょっと高いですが、これを買わないと光軸調整は難しいでしょうね。

あと、光軸調整に必要なファクターがGS200RCの場合3つあるが、購入したままの状態で
は1つ足りません。(GS250もそうみたい)買ったままでは接眼台座調整という重要なファク
ターが1つ欠けているのです。推測するに、コスト削減のためか省略したまま製品としている
ようです。つまり、副鏡と主鏡バッフル…この2つだけしか調整出来ないようになっている。
この2つをどれだけ追い込んでも、本来あるべき真の光軸を完全に捉えることは出来ない。
これを補うためには、海外で販売されている1パーツの購入もしくは自作パーツが必要となっ
てきます。これを手に入れれば、ようやく光軸に必要な機構が完備することとなるでしょう。


③ 周辺減光が非常に少ない。画像処理が楽。

現地でライトフレームのFitsを強調してみて、驚いた。全く周辺が落ち込まず、周辺落ち込み
の前に階調2値破綻となるぐらいの平坦さです。もちろんそれでもフラット撮影・処理はするが
、言うまでもなくイプシロンよりもはるかにマッチング精度は高い。(イプシロンはFの明るさ故
に周辺減光が大きい)対策をしたせいか、迷光の影響も寸分も感じない。


④ 問題は光学系ではなく、空の条件。

シンチレーションは言うまでもないのですが、撮影対象の高度が支配的だと感じます。
今自分がどれぐらいの高度でその対象を撮影しているのか、ということを今まで以上に意識
させられる「焦点距離」です。これは光学系の問題というよりも、単純に長焦点が持つ難しさ
でしょう。天頂近くに上がるM33や31などを真夏の好条件で捉えた画像は、きっと素晴らし
いと思います。逆に低空の解像度は、正味で焦点距離700~800mm程度にしかなって
いないと思う。(800mm以上焦点距離を伸ばしても、低空に限っては焦点距離が無意味
となりやすい。)この場合はRDを併用するなり、イプシロンを使うなりと使い分けが必要か。


⑤ ピント合わせが難しい。

F8のくせに、いや、F8だからこそピントが難しい。
イプシロンの場合、僕はβ-SGRで1秒露光で星像をモニターで拡大観察しながら、手動で
25μmずつ移動させて合焦位置を探っているが、GS200RCは焦点距離・F値の問題があ
り、その方法では事実上困難。最終的なジャッジには最低でも30秒~1分程度のガイド露光
をした上で良否判別をすべきだと思う。バーティノフマスクという治具もあるみたいなので、
迷う際にはそういうツールで狙いをつけるのも良いかもしれない。
ピントの山をつかむ手段が困難である、というだけで、決してピントの山が平坦であるという
わけではなく、例え50ミクロンでもズラして10分露光すればその差は等倍レベルで見えてく
る。


⑥ フルサイズのデジカメなどもお勧め。

①で述べたように、この望遠鏡のFは暗いからこのカメラはダメとかイイとか、そんな意見は
机上の理論であり、実際は言うほどカンケーないと思う。なので、一般的にCCDのLよりも
実効的な感度が低いとされるカラーのデジタル一眼でも十分に戦力となりうると感じます。
イメージサークルが広いので、出来ればフォーマットの大きい5D2などのフルサイズなどを
使うとより受光面積が広くなって良いと思う。バックフォーカスが長くたわみの影響を受けや
すい造りをしているが、デジタル一眼などの軽量カメラであれば大そうな装備も必要なく、そ
れこそいきなり手軽な撮影を楽しむことが可能でしょう。


⑦ ただし、オフアキは必須条件。

単純な親子亀などのガイド鏡ガイドでは、極端に歩留りが低下してしまうと思います。
きちんと撮るなら、セルフガイドかオフアキが必要でしょう。
ただし、バックフォーカスが長いので光路長の組み立ては楽でしょう。
また、ガイド側のCCDは、ビニングしてオーバーハンティングを避けるのが得策でしょう。




ということで、今夜は以上です。
また思いついたら、別途記事で取り上げます。


PS:最近、ブログコメントの返事が遅くすみません。
最近なんだか、自分にとってブログというサービス・コミュニティの存在意義について色々
考えさせられることがあります。
僕は基本群れを好まない単独派ですが、こういう情報の発信を自ら進んで行う意味って、
本当にあるのだろうか?と。
こうやって作品公開したり、インプレ綴ったりしても、何かこう、空気に話しかけているような
実感しか沸かない。かといって、年賀状ではないがコメントが欲しいわけでもない。
コメント1つ1つはありがたいのは分かっているが、日常のサイクルとして捉えた際に、
その返信に費やす労力は大きい。

コメントを書くことが好き、そして書いてもらうことが好き。
そんな人は、ブログがマッチするのだろう。

でも、僕は違う。

自分が掴んだ情報や技術は発信したい、けど、コメント地獄に縛られたくない。
本音の意見や批評、技術交換はしたい、けど、うわっ面だけの定型的な賛辞はいらない。
という思いがある。
コメントの返信をしない、他人のブログにコメントをしない…そうすることで
日に日に自分のブログはコメントがつかなくなる。それはそれでいい。
けど、そういうスタイルの人は、のけものや黙殺のムードを余儀なくされてしまうのだろうか?

年賀状に例えると、
年賀状を書かない人・返さない人は仲間外れ、ってことなのだろうか。
ヤフーブロガーにはコメントします、だけど他所はしないとか。
団体内では過剰にたたえあうが、その外はノーコメントだとか。

何か、そういうの目の当たりにすると、ホントイヤなんですよね。
何が?
そういうツマラないことを意識してしまう自分が…です。
そういう、何と言うか天体写真の本質と本来無関係な部分がいやでブログが面白くない。

いや、またつまらないボヤきを入れてしまいました。
そんなしがらみからは開放され、そこで捻出した貴重な時間をリアルな家族とのふれあい
に費やすのが一番だと思う今日この頃です。

家族と天体写真、あとは限られた数人の深い交流が出来る友人。
これだけを大切にして生きていこう。




…あれ、仕事は?(笑)

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天体機材」カテゴリの記事

コメント

それほど高価な鏡筒ではありませんが、光学性能だけでなく造りもしっかりしているのですね。
イメージサークルにはフルサイズでも余裕がありそうですから、ラージフォーマットとの
組み合わせがベストでしょうね。

それと、コメントに関してですが、是非ともご家族とのお時間を大切になさってください。
私は暇人ですから、ちょくちょくコメントさせていただきます。
あ、ご迷惑でしたら、ご返信なさらずとも結構ですよ(笑)

投稿: hana | 2013年5月 9日 (木) 18時34分

GS200のインプレッション待ってましたよ。
カメラ(29050)と16000の違い、接眼部の違い(ショボイ接眼部)以外は殆ど一緒(これが重要なのか?)の仕様になりますが、この筒のポテンシャルは高そうですね。
あ~良かったよかった(笑)

私はまだまだ先の稼動ですが、よっちゃんのを参考に地道にやっていこうかと(笑)
F8だから明るい対象メインで撮影でしょ?って以前話してましたが、僕個人的にはよっちゃんの銀河を見てみたいのですよ。
F8だろうがF2.8だろうがよっちゃんならカンケー無いと感じてます。
微細ピクセルで醸し出す銀河は素晴らしい予感がしませんか?

また一緒に撮影しましょうね。
あれ?週末こちらが良さそうですよ?(笑)

どうか家族との時間を大切になさって下さいね。

投稿: slo | 2013年5月10日 (金) 19時06分

画素数が少ない頃の名残かもしれませんね。
今だとプリントレベルで考えたら、まず画素数が支配的になってしまいますし。
デジカメとRC系だと最近はあまりチャレンジする方がおられませんね。
昔の雑誌入選していた作例だと、MT160+レデューサでこの構造撮れちゃうなぁ・・とか思っていましたが、昨今の性能向上したデジカメを上手く使うととんでもない作品が出来そうな気がします。
2010年以降販売の機種だと映像エンジンの出来が非常に優秀になってきていますし・・
yamatomoさんがVISACで素晴らしいM64を撮影していましたので、ボクもそのうち、X-E1で撮影してみたいところなのですが、なかなかチャンスが・・・(´・ω・`)
VISACも調整せねばさすがに光軸がずれていそうです。
センタリングスコープ買わないといけないなあ、、

ブログは、ボクの場合、基本的には撮影日誌、観測記録かな。
情報発信はホームページと分けているのですが(ホームページの方がまとめ易く、検索もしやすいので)、ホームページは最近、サボってます・・。作成も進めてはいるのですが、この1年忙しかったので、なかなかおっつかない・・

投稿: uto | 2013年5月13日 (月) 17時46分

こんばんは、星羊翁です。こちらでは初めましてですね。

同系列のAT10RCFを所有している者としてピントのところは大きく頷きながら読みました。自作のバーティノフマスクを使っていますが、空の状態がよっぽど良くないとピタッと決まりません。
なるほど、1分ほどのガイド露光ですか、手間を惜しんではいけませんね。今度試してみます。ただ、違いわかるほどの眼力があればいいのですが。

投稿: 星羊翁 | 2013年5月13日 (月) 19時53分

インプレッション参考になります。ほしい鏡筒ではあるのですが自分の技術は足りないかなと思って買わずに降ります。
球状星団の撮影、眼視はなんだかんだといっても口径です。それと高度。200mmの解像度はきっちり
出ているような感じですが、不満でしょうか(笑)

投稿: ビスタ | 2013年5月15日 (水) 22時42分

hanaさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
ご後輩である5Dさん辺りに、是非おすすめされたらいかがでしょうか。
5D2や6Dなどは感度も良いでしょうから、フルサイズで明るい対象なら楽しめるかと思います。
ただ、レデューサー併用での運用を考えた方が歩留り的には良いでしょうね。
最近のデジカメは画素数も多い分、どうしてもオーバーサンプリングになってしまいます。
この望遠鏡は価格の割りにしっかりした造りで、フルサイズフォーマットに対応した稀少な光学系だと
思います。

あと、ブログコメントについてのお気遣いもありがとうございます。
最近特に怠慢になってきてしまいました。
悪意などは全くないのですが、う~ん困ったものです(笑)
その代わりと言ってはなんですが、hanaさんが得られた良い成果などはしっかりブログで拝見させて
頂いてますよ。

投稿: よっちゃん | 2013年5月22日 (水) 15時48分

sloさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

>F8だろうがF2.8だろうがよっちゃんならカンケー無いと感じてます。

いやいや、やはり光量差は大きいですよ。
6~7枚コンポでようやくイプシロンの1枚相当ですからね。
イプシロンのL10分1枚でM78の外周部を滑らかに描出出来ないのと同様に、
F8ですと淡い対象はどうしても対象外とせざるを得ないです。
ただ、決して淡い部分ばかりをモクモク描出するばかりではないとは思いますので
出来る限り輝度変化に富んだ美しい対象をクローズアップして作品化出来ればと
思っています。
銀河ももちろん、明るいものであればチャレンジしてみたいですね!

一緒にこの筒を極めましょう!(笑)
sloさんのファーストライトも楽しみにしています。
家族への配慮も頂き、ありがとうございました。

投稿: よっちゃん | 2013年5月22日 (水) 15時53分

utoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ははは、言うと思いました(笑)画素数メリット。
僕の持論ですが、やっぱり殆ど無関係ですよ。カメラとCCDの相性って。
光軸調整は、和歌山の師匠に先週チェックしてもらいました。
これでさらにグレードアップ出来ればなぁ。

投稿: よっちゃん | 2013年5月22日 (水) 15時55分

星羊翁さん、こんにちは。コメントを頂きたい方でありながら遅レス申し訳ありません。
星羊翁さん(僕らの中では星見庵さんと呼ばせて頂いてます。読めないもので…笑)の美しい作例あってこその導入です。
やっぱりSGRでVカーブで決めるのが良いのでしょうか?
何かこう、ピントについてはこれといった客観手段が、今までの方法では通用しない気がしています。
ソフトの力に頼るのは極力避けたいと考えていたのですが、次回試してみようかと思います。
CCDinspectorの3D解析も見事な機能ですね。あれは便利です。

投稿: よっちゃん | 2013年5月22日 (水) 15時58分

ビスタさん、こんにちは。コメント遅くなってすみません。
いつもありがとうございます。
やはり口径なんですか、僕はこの「口径差による写りの違い」というものを今まで心底は理解せずに通してきたようです。
けど、明らかに25センチやそれ以上で捉えたM13を拝見すると、処理の差こそあれど限界等級の違いをひしひしと
感じます。
僕がこの筒を導入した目的は、小さな銀河をクローズアップすることではなく、巨大な散光星雲の中心部を切り抜きたいと
いう思いからくるものなので、大口径の差は感じたとしても、そこで「では25センチ」という発想には至らず済んでは
いますが、まずはこの機材のポテンシャルをどこまで引き出せるか、あとレデューサー含め拡張性の模索も目下の課題
ですね。近々、動きをかけるつもりです。

投稿: よっちゃん | 2013年5月22日 (水) 16時01分

でも、F8だと勿体ないですよ~
光は波の性質がある以上、どうしても、回折現象が生じますから・・って、すでにレデューサもお考えの様ですね!
フルサイズを活かせる優秀なレデューサがあれば、その方が、ML29050の特性を活かせると思います。

投稿: uto | 2013年5月26日 (日) 17時39分

utoさん、こんにちは。
レデューサーはじきお披露目出来ると思いますよ。
何度も言いますが、カメラが29050だからどうとか、11000だからどうとか、
実際にはutoさんが論ずる程関係ないですよ。

関係あるのは光を受ける面積(CCDサイズ)とF値です。
F8とフルサイズで素晴らしい作例を得ている方がいる限り、29050だろうが
受光面積が同じである以上、一緒のことです。

utoさんがCCDというデバイスに興味があって、出来ればそこに痛快な効果差
があって欲しい、と願う気持ちは分からないでもないです。

けど現実は、そんな比較作例はWebにはどこにも落ちていません。
チップの面積は関係します。けと、ピクセルのサイズは論ずる程の差は
生み出さないと言うのか実際でしょう。

投稿: よっちゃん | 2013年5月26日 (日) 18時09分

よっちゃんさんこんばんは。先日妙な影ができるとご質問したものです。
結論から言うと、単純にフィルターのゴミでした。お騒がせして申し訳ありません。
色々と試しても消えてくれず、ゴミ以外の要因を疑ってしまいました。
 その後試した、メーカー推奨のキムワイプ+イソプロピルアルコールは今ひとつな印象でした。
Astrodonが推奨する方法だと、私が不器用なせいかもしれませんが、しっかり拭き取れずフィルター表面
にイソプロピルアルコールが残って、そこが曇りになってしまいます。
 最終的に、良い事ではないのかもしれませんが、水道水で水洗いし、(精製水がなかったので)
キムワイプで拭き取り、が最も効果的でした。まずはご報告と、お詫びまで。
 今後も素晴らしい作品を楽しみにしております。

投稿: yoshi | 2014年5月24日 (土) 21時48分

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