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2013年3月27日 (水)

屈折か反射か

「屈折か反射か?」

何か、とっつきやすくて楽しい話題ですね。
これから本格的に天体写真を始めようとされた方に、この質問をかつて何度か受けたことが
あります。

僕はそのときいつも、
「屈折の方がメンテナンスフリーだし、安定した結果が得られるので良いと思います。」
と答えています。

本当にその通りですね、僕は今までイプシロンでどれだけ光軸調整に時間と金をかけたか
知れないです。こういった苦労・改善策などを記事にすればするほど、かえって
「反射はとっつきにくい。」
という印象を皆に強く植えつけることになってしまうのでしょう。

確かに屈折望遠鏡を使っていた頃は、光軸の不安などは感じたことはありませんでした。
それに、屈折望遠鏡という製品は、見た目的に物欲や所有欲を満たしてくれる気がします。
特に対物の大きなレンズ、TOA130や150などはその最たる例ですね。
よく、「対物レンズを見ていると、吸い込まれそうな気分になる。」と言う人の気持ちが分か
らなくもないです。いや、よく分かります。

また、星の像の形を見ても、屈折望遠鏡の方が真円で美しいと僕は思います。
本来、星というのは円形もしくは点であるべきだと。
屈折は原理的にFの明るい設計が出来にくい分、じっくり時間をかけて撮影すれば
本当に良い星々の姿が得られると思います。

そんなわけで、トータル面で見て、これから天体写真を始めようとする方は、絶対屈折に
行くべきだと思いますね。
特に初心者向けというわけではなく、ハイアマチュア用のフォトビジュアル鏡筒というライン
ナップも現状選択肢にはあります。
口径の割に高いのがネックですが、それでも例えばFSQ106EDや125SDPのような
高価な屈折望遠鏡はモノとしての欲求を十分満たしてくれるでしょう。

田舎に住んでいて、カタログ上でしか屈折望遠鏡をご覧になったことのない方は、
是非何かのついでに天文ショップに寄って頂き、現物を見てご覧なさい。
天文雑誌の広告では計り知れない大きさ・頑丈さ…等に驚かれるでしょう。

対して反射望遠鏡の見た目は、それと比べると劣りますね。
確かに大きくて圧倒感はあるもんですが、大きなゴミ箱やドラム缶みたいなもので、
屈折望遠鏡の対物レンズのように、「工業製品として得られ難い」イメージを体験するには
やや説得力に欠けます。
「え、何でこんなデカいだけの穴のあいた筒に何十万円も!?」
ってな感じです。

屈折の場合は、フロントにあの高価で魅力的な対物レンズがありますよね。
おお、これがうん十万円の価値の理由か!
って気になりますが、反射の場合はそれが奥にあってなかなか伝わりにくいかもしれません。

…とまぁ、屈折の良い部分ばかり書きましたが、僕的には性格上反射が合っているように
感じます。レベル云々というよりも、性分でしょうね。これは。

反射を所有している以上、反射を立てることも書かなくてはならないので書きますが、
光軸調整って結局、「再現の手法を掴み取る」ってことなんですよね。
掴んでレベルアップしてしまえば、もう二度とそれ以下のレベル(=星像)になることは
ありません。筒に穴あけようが、トップリング外そうが、何度でもその鋭像を再現することが
可能です。

もしその状態が万人に提供可能なのであれば、僕は間違いなく反射を薦めます。
毎度毎度、確実に色収差のないシャープな像が得られれば天体写真が楽しくて仕方あり
ません。
ただ、工場出荷状態を永続的にキープするのですら困難なのに、無理な話でしょうね。

もしイプシロンが仮に、「シャープだけどFが4以上で色収差が多少残る」ような光学系なら、
僕はとっくに売り払っていたか、そもそも買ってはいなかったでしょう。
そこまで苦労をかけるに値するスペックではないからです。
F2.8なのに色収差がない、フルサイズで崩れない。群を抜いてシャープ。
何気に言いますが、これってちょっと他には前例のない望遠鏡なんですよね。
今後も多分、出ないと思う。
だからこそ、僕はイプシロン光学系の属する反射望遠鏡に惹かれます。

けど、通常は屈折を使うのがベストだと思います。
僕や和歌山の人たちのような取り組みは、ある意味特殊系と考えるべきだとわきまえて
ます。

けど、調整に没頭している人Sさん・Fさんはよーく知ってます。
ブログでは書かないけど、どうしてこれだけ反射へかける苦労・情熱を惜しまないのかを。
「高い金出して買っちまったから、後悔するのもくやしいので、仕方ないので調整している。」
ってお思いですか?とんでもない~。

というわけで結論をごく短い語句で表現しておくと、
「基本屈折。でも反射。」
みたいな感じです。
「人それぞれ価値観が…」
みたいな詰まらない月並みなセリフは、僕は書きませんよ!

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天体機材」カテゴリの記事

コメント

よっちゃんさん、お久しぶりです。新しいブログ『星の牧場2』では初めてのコメントですね。
実は今の今までこの記事対してかなり長い文章でコメントを語っていたのですがアップ寸前のところでキーボードミスで全文消えてしまいました(^^ゞ なのでたっぷりとしたお話はいずれあったときにでもしましょう!
というわけでちょっと簡潔に…

屈折か反射か?
この質問ないし話題はこの趣味をしていくうえで主軸といっても過言ではないのでしょうね。
ここから先、自分は屈折→FSQ106、反射→ε180というベースで書きますね。

自分も以前FSQかεで悩んだときがありましたね(ブログ上で)そのときはよっちゃんさんをはじめいろんな方々から意見をもらいました。結果的には屈折としました。
正直、自分の場合はFSQにした理由の中でEM-200に載せれる積載荷重というのが大きなウェイトを占めていたのですが、そういう縛りがなく選ぶのだとすれば…屈折or反射??
自分の意見としましては屈折をお勧めですね!初心者でなおかつ光軸調整などのデリケートな調整に知識がなく好きではないとなればなおさらですね。屈折の長所はメンテナンスフリー(中・長期的なメーカーメンテは別)での安定した撮影画像にあるでしょう。

とはいえ、よっちゃんさんのε180での作品を見てしまうと、どうしてもε180のほうがシャープだからいいなぁって思うんですよね。驚くのはFSQ106ED+645RDを使ってるのにそう考えてε180EDの導入を考えてしまう人がいることですね。そのような人に同じFSQ使いとして言えることは『あなたはまだFSQの能力を最大限にひきだしていないかもしれませんよ…』ということです。空の条件やガイド精度なども関係ありますが同じ条件の下で同じ精度・適切な露出で撮影されたFSQの画像がε180に明らかに違いがわかるほど差がつけられるとは思えないのです。それどころか真円を描いた星々のほうが自然で美しいかも…(^_^;)ありゃりゃ、なんだかかわいいわが子の自慢みたくなっちゃいましたね(笑)

話が若干脱線しちゃいましたが、大筋でよっちゃんさんの考えと同じですね。
まずは屈折を使いこなそう!です。光軸調整などに時間をかけなくてもいい分撮影のノウハウを蓄積するのが天体撮影を長く楽しむコツだと思います。撮影を熟知・マスターしてそのあたりに労力を注がなくてよくなり、FSQの能力を十分に引き出せるようになったら、いざεが面白いのではないかと。要は安易に反射で素晴らしい天体写真という選択はないかな?と。近道はないということでしょうね。

最後に、よっちゃんさんの光軸調整に対する取り組みってすごくいいなぁって思います。自分にはとても楽しそうに見えるんですよね。なぜ楽しそうに見えるか?簡単です!かわいいわが子ととことんまで語り合えるからです。これってFSQ使いには適わぬ夢ですよね。
よっちゃんさんのネジとかを何回もはずして傷だらけになったε180の金属部分とかがなんともいえなくうらやましいのですよね。いいなぁ~触れ合ってるって…。

実は自分の天体撮影計画の中にε180の導入は入っています。導入時期には条件があります。
1.FSQ106EDでεに負けない画像を安定撮影できるようになる(元画像段階で)
2.赤道儀の大型化
3.光軸調整をたっぷりできる時間確保

……この3つを満たす時期って…いつだろう?なんか定年後のような気が…いやいや、体力のこと考えるとちょっとでも若いうちに(^^ゞ

まだいろいろと書き足りないこともあるのですがこの辺で…

投稿: yuji | 2013年3月29日 (金) 05時46分

yujiさん、こんばんは。大変ご無沙汰をしております。
暖かなコメントを頂き、感謝しております。
yujiさんは昨年、天体写真以外で大変なご苦労がありましたが、今年はその分趣味もプライベートも充実した一年となることを願っています。
さて、屈折と反射についてのご意見、yujiさんはまさしく屈折使いですので大変参考になるコメントですね。
私自身FSQ-106EDを使ったことはありませんが、あの鏡筒はやはり屈折系の写真鏡の中でも群を抜いた存在であることは間違いありませんね。
光学系はさることながら、接眼部の頑丈さ・精密さも素晴らしいですし、特に直焦点で撮影した際の色収差のなさや像面の平坦性は35ミリ
フォーマットだけではもったいないぐらいですね。今後将来的にCCDチップがフルサイズ以上のラージフォーマットになった際に、TOA含め
こういった屈折望遠鏡がより主流になってくるものかと思われます。

>驚くのはFSQ106ED+645RDを使ってるのにそう考えてε180EDの導入を考えてしまう人がいることですね。
>そのような人に同じFSQ使いとして言えることは『あなたはまだFSQの能力を最大限にひきだしていないかもしれませんよ…』ということです。

そうですね。FSQ含め屈折望遠鏡はセルで対物レンズを保持しているので、ガイド鏡を使ったガイドではコマ毎にほんの少しだけ(1ピクセルとか)
ズレが生じることがあるみたいですね。仮に10分間で1ピクセル移動するのであれば、画像処理に例えるならダスト&スクラッチを1ピクセル
かけているのと同様のディテール損失がありますので、FSQみたいにシャープな光学系であればあるほど、その辺りの解像ロスが顕著になってくる
のかと思います。これを根本的に解決するのはセルフガイドやオフアキしかないのでしょうか。この辺りのシビアさの追求は、シャープな光学系
ならではで、イプシロン180EDにも通じるものがあると思いますね。

FSQ106EDは、色収差のなさと星像の美しさが魅力ですね。反射と違って迷光を受けにくい構造なので素材での星雲や銀河のコントラストも高い
のではないでしょうか。イプシロン180EDは光軸調整さえマスターして安定再現出来るようになれば無敵の光学系なのですが、どうしても
そこを習得するまでに費やす労力を考えると、すんなり移行出来ないというのが正直な意見なのでしょうね。

yujiさんの活動復帰を機に、今後もこういった情報交換を頂けると大変ありがたいです。
貴重なご意見、ありがとうございました。

投稿: よっちゃん | 2013年3月31日 (日) 21時55分

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