スケアリング調整方法(レーザーコリメーター使用)
以前にも公開しましたが、本日ML29050カメラのスケアリングの再調整にあたり
解説と補足情報をムービー化しましたので、公開します。
センサーの傾き起因でのスケアリング不良にお悩みの方や、これから新規に冷却CCDカメラやデジタル一眼レフカメラを本格導入される方、是非ご参考にして下さい。
<注意!!>
コリメーターの取り付け時、落下には細心の注意を払って下さい。
落とすとカメラに直撃します。
コリメーター取り付け時は、作業をしやすいように台にのぼり、片手でコリメーター
を保持した状態で取り付けを行って下さい。出来ればその際カメラは真下に置かない
方が無難です。
<鑑賞方法>
まずは再生マークをクリックし、動画右下(全画面)をクリックして下さい。(ない場合はyou tubeボタンをクリック)
次に画質マーク(右下4番目)をクリックして1080pで拡大表示すれば、一番奇麗に見えるようです。
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コメント
よっちゃんさんこんにちは。いつもこのブログを何度も見るのが日課になっております。
今回のレーザーを使ったスケアリング調整方法、前身のブログでもすでに動画で公開されていますので、そちらと比較しながら拝見しました。今回のレポはさらに踏み込んで、レーザー反射光の特定まで検証されていますね。CCD面だけでなく、カバーガラス、チャンバーガラスの反射光もあり、CCD面の反射光をどうやって特定するかまで教えていただきました。大変参考になります。私も手元にレーザーコリメーターはありますから、ML16000が届きましたら早速調整したいと思います。
さて、前回のものと今回のものをいずれも見ていまして、それでも自分の中でまだわからないことがありますので質問させていただきます。
まずは調整前の反射光の確定です。これは最初にシャッターを開けたCCDの光をレーザーコリメーターのターゲット中心にしっかり帰ってくるように調整してから、次にマウント面に鏡を置き、それが再びターゲットに反射光が帰ってくるように調整するのでしょうか。それとも逆に、鏡のほうを先に確定させ、次にCCD面の反射光をターゲットに向けるように調整した方がよいのでしょうか。理論的にはどちらの方法でやっても同じだとは思いますが、作業効率の面から見るとどちらが容易にできるものなのか、優劣がありましたら教えていただけたらと思います。
つぎにはさみものを入れる作業についてです。上にレーザーコリメーターを設置して、下にカメラを設置します。カメラは、下からCCDカメラ本体、CFW、マウントという大きく分けて3つのパーツがあるものとします。このシチュエーションではさみものを入れるとすれば、入れる場所はCCDカメラとCFWの間だろうと思います。はさみものを入れる作業をするとなると、作業途中でCCDからCFWを外す作業が出てくると思います。この作業をするとなると、CCDからCFWをいったん取り外すでしょうから、ねじを緩めたりしめたりすることになると思います。このとき、最初にレーザー位置決めしたものがずれたりはしないものでしょうか。
最後にレーザーの照射位置です。おそらくレーザーの照射位置はCCD面の中心が望ましいのかなと思います。しかしCCD面には中心とわかるターゲットはありません。もし中心がよいとすれば、どのようにして中心点を見定めていらっしゃいますでしょうか。それとも厳密に中心である必要はないものなのでしょうか。
手元にカメラがあれば自分で確かめるべきなのでしょうが、その前の事前予習としてぜひこれらを押さえておけたらと思いましてコメントいたしました。ご教示くだされば幸いです。よろしくお願いいたします。
投稿: 松林@青森 | 2013年2月18日 (月) 13時03分
僕もやろうっと!
ってレーザーコリメーター無いんだった(笑)
なんか風船割れるやつとかなら持ってますが…
CCD自体の傾きを取るのは難しいと思われるので、基準レーザーはCCDに合わせ、CCDの傾きに接続類を沿わせる。
で良かったですね。
いや、松林さんの質問みてて、あれ?どっちだろって一瞬思ってみたりしたわけで。
接眼部直前までの接続パーツを付けて2通り試してみるのも面白いかもしれませんね。
投稿: slo | 2013年2月18日 (月) 14時37分
お久しぶりです。
CANPで発表したこの方法を何人かの方が実践していただいて嬉しく思ってます。
あの高さならレーザー光が1mmの内に戻ってくれば十分過ぎるスケアリング精度ですね。
CCDからの反射光の特定については、私も光を切る方法で説明しましたが、天井に写る格子状の交点から決めた方が確実です。その点についてはまたいずれお会いした時に。
まさかCCDからの反射光が天井にあんなきれいな模様を描くなんて、きっとみなさん部屋を暗くしてご家族に見せたら喜ばれるかもしれません。
私は何かを挟まないで、無理やり加工して三組の押し引きネジを設けて、鏡の反射を見ながら調整できるようにしてます。
さらに、鏡をもう少し細くするとずらすだけで鏡の反射とCCDの反射を切り替えられて効率的です。
もう光軸を合わせる前に、この方法でスケアリングを確かめておかないと不安でなりません(笑)
この方法はもっと多方面に応用が可能ですので多くの方々に知っていただきたいですね。
投稿: N | 2013年2月19日 (火) 20時41分
松林さん、こんばんは。何度も温かいコメントありがとうございます。
ここ数日あれこれ天体写真の案件を抱えていて、なかなかWEB対応が出来ない状態でした。
大変申し訳ありません。
一つだけ、注意しておきますね。
この天井のレーザーコリメーター吊り下げによる調整方法は、治具が落下したらレーザーが示す通り、まさにダイレクトにカメラに命中落下します。
なので、一番良いのは作業時にレーザーコリメーターをどこかに紐か何かで吊るして落ちないようにしておくことでしょう。
これだけは必ず守って下さい。
それさえ守れば、あとはいくらでもスケアリングの精密な調整の楽しさを味わって頂けたらと思います。
こちらのコメント下段に書かれているNさんと言う方が発案した手法なんですが、その方の創意工夫は大変素晴らしく、もっと身近にこういうお方がいれば
いいのにな〜といつも思っています。お住まいが、ちょっと遠いんですよね〜。そこだけが残念!(笑)
そうそう、このビデオの解説、間違ってますよね!?
あとから見ていて思いました。
いや、雰囲気的にはこれでOKなんです。
だけど、この構成の場合、最初に合わせるのは鏡面⇔コリメーターではなくて、CCD⇔コリメーターなんですよ。
すみません、近々もう一回撮り直そうかな〜。Take2ということで。
投稿: よっちゃん | 2013年2月20日 (水) 01時16分
松林さん、続きです。
先にCCD⇔レーザーを合わせる理由は、この設置の場合、CCDカメラ本体自体には傾き調整機構を持たないためです。
なので最初にCCDの光がコリメーターに戻るようにコリメーターの傾斜を調整し、その後、CFW(カメラ単体だけではだめです)をのせた平面部に鏡を置いて、そのレーザーの戻り光のズレ量分だけを
CFWの浮き、つまりカメラとCCDの間に何かはさむことで調整するわけですね。仮にCFW本体単体での組み立て精度が完全で厚み誤差が0であった場合、この調整が完了したらカメラとCFWを回転させようが
スケアリングはズレることはありませんし、CFWを外してカメラ単体で他のEFレンズなどとコンビさせても片ボケすることはないはずです。
つまり、カメラ個体に埋め込まれているCCDセンサーの傾きを吸収するという素晴らしい発想なんですよね、これは。
次に、はさみもののテープを貼る際に外すCFWの着脱時の再現性についてですが、これが意外とうまくいくもので、結構安定的に再現しますよ。
ただ、廊下など足場には気を使います。じゅうたんや畳はもってのほかで、出来るだけきしみのない板間や理想的には玄関などの固い石orアスファルトなどがいいんでしょうねー。
ただ、きちんとセッティングしてやってみると案外イケるもんですよ。自分が作業をする際は、出来るだけそのカメラが置いてある板場と別で区切られた足場で作業すると、体重によるたわみがなくなって良いと思います。
なので、僕は部屋と廊下の境目エリアでこの作業をやってますよ。
あと、このコリメーターを固定する方法を考えたいですよね。レーザーを横照射すれば三脚固定などで楽に距離をかせげるのでしょうが、これだとはさみもの調整の際に重力を利用出来ないのがちょっと大変ですね。
Nさんはこれを横照射できちんと出来る治具を自作されていました。あの自作品はなかなか真似が出来ません、素晴らしかったです。
あとターゲットのCCD中心点については、これこそ全くアバウトでOKですよ。
仮に僕のビデオで言う、このカメラを置いている穴あきの台(穴のあいている台を探して用意して下さい。これがないと、背面にコードが2本伸びているのでカメラを地べた置き出来ないのです。)
を横にズラしたとしてもそれで狂うような感じではなさそうです。
中心のど真ん中じゃないと成立しないわけではなく、スケアリングがきっちり合っている状態であれば、多少左右にふってもレーザーはゆっくりとコリメーターのターゲット内を左右しますので、そこまで
神経質にならなくても良さそうです。
この方法は工夫次第で、超完璧なセンサー個体のクセを取り除くことが可能です。デジタル一眼でも可能な手法なので、是非皆さんにトライしてほしいですね。
ただ、何度も言いますが治具落下にはお気をつけ下さい。というか、必ずコリメーターは何かと紐で結んで作業して下さいね。
投稿: よっちゃん | 2013年2月20日 (水) 01時33分
sloさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
風船割れるやつって、ひょっとして観望用の超強力なヤツ?(笑)
あれは、こわいですね。
通常の国際光器などで売られているレーザーなら、何時間照射してもセンサーやウィンドウには何の影響もないのでご安心下さい。
気になるなら、一度ガラスや鏡などにテスト照射し続けてから使ってみるのもいいかもしれませんね。
僕は以前教わってからずっとこの方法ですが、何の弊害もなく良好でした。
>CCD自体の傾きを取るのは難しいと思われるので、基準レーザーはCCDに合わせ、CCDの傾きに接続類を沿わせる。
>で良かったですね。
いやー、すみません。僕のビデオ、解説逆でしたね(笑)
sloさんは、上手に単文で解説するなって感心します。
そうなんですよね、僕が上で回りくどく長文で書いてしまった内容を、あっさり一言で表現されスゴいです。
あと、そうです、補正レンズやレデューサーなどと組み合わせた場合のレーザー光戻りも試すとさらに突っ込んだ解析が可能でしょうね。
投稿: よっちゃん | 2013年2月20日 (水) 01時39分
Nさん、こんばんは。大変ご無沙汰しております。
コメント頂きありがとうございました。
また、ご教示頂いた技術内容・情報を、こうやって我が物顔でビデオ公開してしまって申し訳ございません。
この発案は、前回の福岡CANPで(もうだいぶ経ちますね〜)Nさんが食後の余興として「スケアリングを可視化する」というお題目で大勢の方々にご披露
された内容ですよね。今でもその際のNさんの熱弁をIphone4s内に記録していますよ。
あの講演1回だけで分からなかったことなどを、さらに突っ込んでその後Nさんを無理矢理つかまえて聞き出した(笑)成果が、今になって大きな実りとなっています。
その後、NさんのDNAはしっかり関西地区での私の知人内でも広まり、皆にトライ・成功頂いてるみたいで何よりです。
ブログで紹介してからは、「お手軽・低予算で試せる方法」としてさらに皆さん広くがトライされるでしょうね。
さて、頂いたコメントにもありますが、ターゲット中心1mm程度であれば十分な精度ですか!
それを聞いて安心しました。まずはそこら辺にもっていくことを第一目標にしたいと思っています。
格子状の交点をヒントに真の点を見つけ出す…コレ、やっぱり良いですよね。
僕も試して、そう思ってました。
そこでもし自信がない場合は、こうやって遮蔽物を使うといいのでしょうね。
>私は何かを挟まないで、無理やり加工して三組の押し引きネジを設けて、鏡の反射を見ながら調整できるようにしてます。
おお〜、そうですよね。
やっぱり最終的にはそこが一番理想ですよね。
スケアリング調整リングっていうものを持っていますが、これはどちらかと言うと撮影現場での微調整を行うものなので「対光軸(望遠鏡)」という位置づけです。
けど、Nさんおっしゃるように、カメラ単体でもバッチリ決めておきたいものですよね。
そのためには、やっぱり2枚板構造の押し引き3点が理想だなぁ〜。うんうん。
よし、僕のカメラ(ML29050)の天板を、2枚板調整機構を持たせるように改造を検討してみます!
>さらに、鏡をもう少し細くするとずらすだけで鏡の反射とCCDの反射を切り替えられて効率的です。
なるほど、おっしゃる意味が良く分かります。
鏡面が広すぎると、切り替え操作の際のハンドリングが悪いですよね。
あと、鏡の平面精度も気になるところですね。
今日、ちょうどこの話でK-ASTECさんと盛り上がっていて、K-ASTECさんがお持ちのペンタックスかどこかの製品で
オプティカル・フラットという超平面精度の高い光学検査用ガラスを譲って頂けることになりました。
1枚1000円もするものですが、K-ASTECさんも僕のこのビデオを見て、「いやー、この方法はホント理にかなっているよね〜。」
と納得されていましたよ。
こういうアイデアのネタ、今度お会い出来る際に、また他にも披露して頂けるのを期待していますよ!
今度はいつでしょうか?
秋口の西はりまかな?
無理強いは出来ませんが、予定がつくならば、僕は行きますので是非、お越し下さい。
というか、このネタ含めて、Nさんに講演やってもらったらどうかな?
部長さんに一度お願いしてみたいな〜。
色々撮影の改善・工夫について、語り合いましょう!
僕の仲間も紹介します。
投稿: よっちゃん | 2013年2月20日 (水) 01時59分
よっちゃんがこうして力説していただけるので、
なるほどと思う人も多いのだと思います。
面精度、というか厚みの均一さですね。
いまの百均のクオリティーは高いですね。
鏡をくるくる回してみても反射光はずれませんので
私はそれで確かめています。
また少し細くしても大丈夫のようです。
本当は鏡の真ん中に穴を空けたいくらいですが。
オプティカル・フラットとの比較も楽しみです。
みなさんにあの天井に映る格子状の点々を是非見てもらいたいですね。
微細構造の不思議とと光の波の性質ですね。天井に行く前に白い紙で覆うときれいですよ。近所の子供は喜んでました。
また機会があったら参加したいですね。
本当に応用の幅が広いのでみなさん、いろいろ開発してください。
私もあれこれやってます。
投稿: N | 2013年2月20日 (水) 18時53分
Nさん、こんばんは。
たびたびありがとうございます。
以前Nさんとお話していた時、その発想の柔軟性の高さに感心しました。
時間の経つのも忘れるほどでしたね。
ああいう撮影の改善工夫のあれこれの話をしている時が一番好きです。
面精度についてはおっしゃる通りですね。
ガラスなどは特に厚みがモノを言うんでしょうね。
そうそう、100均の鏡は僕も持っていますがなかなかこれが精度高いですよね。
ビデオにある小さなタイプのものは特に誤差が少なかったです。
ほとんどズレを感じませんでした。
逆にこれより大きな面積のもの(これも100均)は回転すると結構暴れました。
とは言え、一度そのオプティカルフラットなるものを試してみたいです。
K-ASTECさんのところは最近、新たな望遠鏡を販売したりと注目度高いですよね。
今度の星空研究会でもきっと、何か安い頒布品を用意してくれるのではないかと期待してます。
もし今年開催するなら、確か11月ぐらいに星空研究会があるのではないかと思います。
都合がつけば是非いらして下さい。
九州の方々の天体写真に注ぐ情熱を、本州の皆さんにも見てもらいたいです。
天井に映る格子の点をまた見ながら、熱い天文談義を交わしましょう。
この手法は、きちんと測定環境さえ整えてやれば、CCDの傾斜を理論上ほぼゼロにすることが可能ですね。
今、その環境を構築するために、カメラ側の天板を図面で設計しているところなんです。
また結果が出ましたら、ここでご報告させて頂きますね。
今後もお付き合いの程、どうぞ宜しくお願い致します。
投稿: よっちゃん | 2013年2月21日 (木) 02時03分
よっちゃんさん、こんにちは初めまして。
天ガで素晴らしい写真をいつも拝見しています。
STL-11000MでM31を撮ってみました。
チップがST-2KMに較べて大きいせいか片ボケ(?)が目立ちます。
CCDOPSでも殆ど補正が入らずガイドミスはないのですが、
画面の右上隅は等倍で
http://yahoo.jp/box/bJi-Y4
画面の右下隅は等倍で
http://yahoo.jp/box/VOUB9V
それに対して画面の右上隅は
http://yahoo.jp/box/lBf5WP
(バーティノフマスクを使ってピントをあわせてあります。)
全体の写真と撮影情報
http://yahoo.jp/box/CSczPS
これはCCDのスケアリング調整がうまくされてないと判断してもいいでしょうか?
YouTubeでご説明頂いているカメラ天板はFLI用ですが、STLの場合はどうしたらよいかご存じでしょうか。
お忙しいところ済みませんが、何卒宜しくお願いいたします。
投稿: 八王子おやぢ | 2014年12月23日 (火) 20時47分
八王子おやぢさん、こんばんは。返事が遅くなりました。
コメントありがとうございます。
アップロード頂いた画像、CCDインスペクターというソフトで3Dプロットすると以下のようになりました。
http://www.geocities.jp/yottyan_cryyagi/3dplot.jpg
右上が一番ボケており、時計の針方向で言うと2時~2時半程度の角度でしょうか。
この方向にシムなりテープなりをはさむと良いでしょう。
明らかにスケアリングがズレていると思います。
STLの場合でも、テーパー接続するのであればどこかにはさみものをすることが出来ますね。
まずはこれで傾向を知り補正が有効であることを確認したうえで、さらに精度を要求する場合はレーザーとか
天板の押し引きネジ改造などをすると良いでしょうね。
参考になるか分かりませんが、どうぞよろしくお願いします。
投稿: よっちゃん | 2014年12月26日 (金) 00時47分